ウェブの本質は文字情報であるとそのことをまず忘れてはいけません。装飾は後から発展してきたものであって、そもそもWEBは文字情報であり、その事実はもちろん今も変わってません。ページ上の任意の場所で右クリックして『ソースを表示』させてみてください。これがこのページの本体。スクリーンリーダーが読むのもこれ。検索エンジンのロボット等が拾うのもこれなんです。
その際、ページの構造というものが重要になってきます。ちゃんと適切なタグが付けられてるかとかそういうことです。HTML5になってその種類は激増しました。論理的で意味を成す、Semanticな展開こそが目の不自由な人にも親切であり、そのサイトの評価を高めます。SEO対策の基本としてもまずそれを挙げさせて頂きます。
だからといって装飾を否定するものではもちろんありません。その事実を踏まえた上で、サイトを彩る装飾や動きは自由に加えていけば良いのです。但しその際は、異なる環境でどう表示されるか、そのことを念頭にデザインすべきでしょう。パソコン、スマフォ、タブレット等大きさの異なる様々なデバイス、あるいは異なる(特に古い)ブラウザーでも(最低限レイアウトが崩れること無しに)きちんと表示されることが重要となります。
目の見えない、本を読めない人々がウェブ、あるいはスクリーンリーダーの登場によってどれだけ恩恵を受けていることか、そして不親切な、構造がめちゃめちゃなサイトに迷い込んだ時にどれだけ不快な思いをするか、そのことを我々この仕事に従事するものはまず頭に入れておかなければならないと思います。(ちなみに、イギリスではSemanticでないサイトには罰金刑が課されることもあるそうです。)
このことに限らず、かつて生活したことのあるアメリカ等と比較しても、日本は障害者にあまり優しくない国だと私は感じています。東京オリンピックの誘致では『世界一正確な公共交通機関 』が売りでしたが、そのことの犠牲になってるものも多々あるし、その事実も世界に知らしめることになるでしょう。
せめてウェブの世界は、率先してそういう課題に取り組むべきかもしれません。大手企業を含む日本の多くのサイトでは未だ文字を画像で入れることがまかり通っていますが、これは不親切であると同時にサイトのランクも落としてしまいます。なぜならそうやって入れる文字はそのサイトにとって重要な文言が多いからです。そこはImage Replacementとかのテクを使わずに、Hタグを使った普通の文字にすべきでしょう。
ウェブで使える日本語のフォントは未だ限られてるし、明朝体を使いたい、縦書きで入れたいなどその願望も理解できるし、私もかつてはそういう手法を取り入れてた時期ありましたが、画像で文字を入れるのはロゴとか限られた箇所に限られるべきでしょう。
もちろん私も完璧ではありませんし、まだまだ修行中の身であります。装飾を優先させるがあまり余計なタグやクラスなどを入れてしまうこともあります。ただなるべくAccessiblityに配慮した、筋が通り親切なサイトを作るよう心がけてるつもりですし、そのことを敢えてこの場をお借りして伝えておきたいと思います。